猫の口腔は全身状態があらわれやすいところです。特に猫エイズや猫白血病ウイルス感染症などの兆候としてよく見られます。日々、猫とのスキンシップのときにさりげなくチェックしましょう。
猫の口の中はどうなっているのか
口の中は赤みがかったピンク色をしていて歯は真っ白なのが健康な状態です。
口の中は粘膜に覆われ、常に唾液で濡れています。
歯ぐきと口蓋(上顎の部分)は硬い食べ物を咀嚼できるように表面が厚く硬くなっています。
歯と歯肉の間の隙間から分泌される液体には、抗体や白血球が含まれ体を守っており、少量の歯石や歯垢はこれにより守られます。
しかし放っておくと歯槽膿漏につながり全身状態の悪化に結び付きます。
口腔内異常でよく見られる症状
次のようなことがないか、普段からよく見ておきましょう。
- 息が臭う(普段とは違う臭い)
- よだれが出ている
- 歯ぐきが赤く炎症を起こしている(盛り上がって見える)
- 歯が欠けている(折れている)
- 歯が抜けている(グラグラして抜けそう)
こういったことは全て病気の兆候です。
それ以外にも次のような行動についても注意してください。
- 食べ物の好みが変わった(やわらかいものしか食べない)
- 食べ方が変わった(以前よりもこぼしている)
- 前足で口を拭う動作を頻繁にする
- 食べ物の前に行くのに食べない
- 口の周りを触られるのを極端に嫌がる
- あくびをしない
- 鼻が腫れている
決して不安に駆られて過敏になる必要はありませんが、上記のようなことを普段から見ているかどうかが病気に早く気が付けるかの分かれ目だと思います。
その他、猫エイズのステージごとにどんな症状が出るかについては、下記の記事をご覧ください。
口内炎とは
口腔内の粘膜に炎症を起こした場合を口内炎と言います。
出血がみられる場合もあり、強い痛みを伴います。
急に食べなくなったり、よだれを垂らす、口臭が強くなるなどの状態が見られます。
そのまま放置すると脱水、貧血などの栄養障害により衰弱がすすみます。
食欲があるのに食べられないので元気がなくなっていきます。
人間と違って猫の口内炎はなにかの病気にともなって発現している場合が多いので、治りにくく再発しやすいものです。
特に口内炎は猫エイズをはじめ全身性の病気の症状として現れやすいものですから、繰り返しになりますが普段から猫の様子をよく観察するようにしましょう。
ちなみに歯石を指で取ろうとする人がいますがやめてください。
歯石は歯周ポケットにもあり、この部分の歯石は人間の指では取れません。
無理に取ろうとして歯肉を傷つけるとそれをきっかけに炎症を起こし、痛みや不快感で口を触られることを嫌がる猫になってしまします。
歯石を見つけたときは必ず獣医師に相談しましょう。
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